ことばのちから

世界は言葉でできている。

下請けになること

たしかに日本の中小企業にとってアップルの下請けになることが、大きな利益をもたらすように見えた時期もあったかもしれない。

だが、それは禁断の果実だった。一旦、下請けになれば、どんな無茶な要求をされても、文句も言えずに、呑み込むことしかできない。

島野の訴えは、そんな多くの下請け企業が抱えている「ナメるなよ」という怒りを代弁するようなものだったのだ。

総額100億円アップル社を訴えた 日本の中小企業島野製作所「下請け」だからって、ナメるなよ 絶対に負けられない戦いがある

制度の良し悪し

 「新しいものをすぐ社会に出せる国の形になっていない。例えば法制度だ。一言で言えば、米国の法律は『やってはいけないこと』を書くのに対し、日本の法律は『やっていいこと』を書く。米国ではインターネットが民間開放された途端、選挙での利用を含め、あらゆる分野で試された。日本は公職選挙法に書かれていないからと、ずっと使えなかった。時代の変わり目で素早い行動をとれないのは、日本の弱点だ」

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従来の延長線にブレークスルーはない

「すべての目標を高く設定するのは問題だが、ここ一番というときは狙う目標は十分に高くすべきだと考えている。低い目標では(従来の延長線上の)積み上げとカイゼンにとどまってしまう。だが、目標が高ければブレークスルーを起こせるようになる。世界一、世界初という目標を立てれば自然とがんばれるようになるということも学んだ」

「この経験から分かるのは、部長でも役員でも、会社のシナリオに沿った開発だけでなく、それ以外でも自分が必要だと信じることを少しはやるべきだということだ。こうした『テーブル下』の研究を進めるように促している。グループの豊田中央研究所でも、経営資源の25%は受託研究ではなく将来必要なことに使ってくださいと言っている」

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タクトタイム

太平洋戦争中、日本海軍の主力戦闘機だった零戦を開発。中島飛行機とあわせて極めて短期間で1万機以上、次々と量産した。それができたのは生産工程ごとの標準作業時間を設定し、時間当たりの生産数を管理する「タクトタイム」があったからという説もあるほどだ。タクト生産は今ではトヨタ自動車をはじめとする大手工場の重要な生産基盤の1つだ。

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支える側、支えられる側

「昨日までは厚労省の一員として自分は人を支える側だと思っていたのに、一瞬にして、一晩にして、弁護士など誰かの力に頼らねば何もできなくなったのです。自分にもそういう時が訪れる。人には支える側と支えられる側がいるという考え方は間違いで、いつでも選手交代になる。しかもある日突然そうなるということを知りました」

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ホームで抱える問題がアウェイで解決することはない

自分のホームで解決できないことを旅に預けるのは、分を超えたことだ――というあまり役に立たない意地が、常にブレーキをかけてくる。


わたしにとって旅行はただの移動であり気晴らしだ。自分がホームで抱えている問題がアウェイで解決することなんてない。と、ずっと自分を戒めてきたし今もそう思っている。どこにいても不安な目をしていたあの頃よりも、わたしがわたしのままで楽しくやれる場所は確実に増えている。それは、とても幸せなことだ。

メメントモリ・ジャーニー - 旅人とスピリチュアル | ウェブマガジン「あき地」

市場分析のまえに作っちゃうのが好き

具体的には、本田宗一郎さんとか、SONY任天堂ジブリなんかの創業物語が好きです。海外も面白い話が多いですよね。シリコンバレー系のGoogleの創業物語とか、フェイスブックの話は映画にもなりましたけれど。Appleピクサーも面白いです。
 彼らの共通点って、全部ものを作るところから始めてるんですよ。ものを作るのが大好きな人たちが作って、それがどんどん広がって大きくなっていった会社ばっかりですよね。そういうのに惹かれるんです。

 今言ったものとは違う系統もあって、例えば市場分析をして「こういうビジネスモデルならいけるだろう」と売り込んだら売れた、みたいな話は、物語としてみたときはどうもあまり興味が惹かれないんです。

第158回 創業物語が好き|本屋さんと私|みんなのミシマガジン