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ことばのちから

世界は言葉でできている。

山内イズム

 花札・カルタ屋を世界企業へと昇華させ、一時は保有する任天堂株(約10%)で日本一の富豪にもなった山内氏。印象深かったのは、過去の失敗を痛快なほど認め、逆に成功は「運」と言い放つ謹厚慎重な姿勢だった。

 山内氏はこうした波乱に満ちた経験を経て「娯楽産業とは浮沈の激しい産業である」と覚悟した。それは07年冬、山内氏が語ったこの言葉に集約されている。「僕たちのビジネスというのは、勝ったら天に昇るけれども、負けたら地に沈む」

 同時に、娯楽で勝つための持論も固めていった。運とともに必要な「資質」。それが、以下の言葉にある。「非常に運がよかったんやろうけれども、しかし、僕自身が『ソフト体質』の人間だから、今みたいな形に導くことができたんやないかなと思っている」

 「いったい何を基準にして任天堂に必要な人を選ぶのかと言えば、果たしてその人がソフト体質を持っているか否か。実際に接してみると、この人はハードの人、この人は体質的にソフトに順応できる人というのがわかってくるんですよ。僕自身がソフト体質の経営者だから、そういうことがわかるんじゃなかろうかと自分では思っているわけです」

 07年冬、インタビューの最後に山内氏はこう言った。「アイデアが枯渇して、何をしていいのかわからなくなったら、社業をやめなきゃしょうがないよね。そんなことで行き詰まったら何をするの。何もすることがないやないの。ハードの会社になるの? なれないよ、そんなの」

任天堂・山内溥氏が遺した言葉 「イズム」守れるか :日本経済新聞


任天堂山内溥氏が遺した言葉 「イズム」守れるか
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO59970440Q3A920C1000000/