ことばのちから

世界は言葉でできている。

成功のかたち

ひとつ教えておいてやるぜ。
なんだかんだ言ったって、おまえのその「おれがおれが」っていう利己心は、歳をとるにしたがって、いつか薄れていく。
で、お前の存在の中心にあった「おれ」は・・・・照れくさいが、はっきり教えてやるぜ、「愛」に置き換わっていることに気づくだろう。
おまえら、思ってるだろう?
なんで、父ちゃんと母ちゃんは、たいしたこと成し遂げてないのに、あんなに幸せそうなんだろう、って。
お前の父ちゃんと母ちゃんの中心は、いまのお前の「おれ」じゃなくって、「お前に対する愛」に置き換わってるんだぜ。だから、あんなにも、幸せそうなんだ。
ほら、全然、わかっちゃいないだろう?
で、お前も、そうなるんだぜ。

でも、知っておいたほうがいいぜ。
その種の成功は、カゲロウみたいなもんだ。
「成功」を追っかけて、「成功」は手にしたけど、それが思っていたもんじゃなかった、って場合もある。
いわゆる「成功」だけを追っかけてると、人生、間違えることもある。

なにも、「成功」を追っかけるな、と言ってるんじゃないんだ。

金持ちになれ、名誉を求めよ、胸を焦がす愛に落ちよ、旅をせよ、革新をおこない、リーダーシップをとれ!
そして、裸でジャングルの川で存分に遊べ!(ただし、サルたちのうんちには気をつけろよ)
だけど、やがて、歳とともに、自分の中で大きくなる光、人のことを深く思いやるお前の芯にある灯、そいつの存在を信じて、大切に育てることを忘れちゃいけない。
それを大きく、大きく育てるんだ。
大きな問題に直面して迷った時、その光の照らす方へ進め。それこそが、お前を大きな成功に導くはずだ。
そして、万一、社会的な成功が、お前の目前で、だれかほかのものの手に落ちたところで、どうだというんだ?
その灯を育てること、その輝きを放つこと以上に、大切なことなんてない。
そして、いつか、シェイクスピアのように、ガンジーのように、マザーテレサのように、その灯を、まぶしいばかりの輝きにするんだ。


すべての若い人に読んでほしい、今季のアメリカで最高の「卒業生に贈るスピーチ」
http://kyouki.hatenablog.com/entry/2013/08/04/085224