ことばのちから

世界は言葉でできている。

試行錯誤のコスト

 投資であれ事業であれ収益を上げ続けなければ生きていくことができないという鉄則があるんですけど、人を雇っていて思うのは「大きい仕事を手がければ手がけるほど、効率を考えれば考えるほど、部下が無理をしなければならない状況が発生する」ということ。

 ところが、変更は全部現場にやってきます。お前、明日からこの仕事だから、今までやってきたやり方は駄目だったからこうするんでよろしく、って降りてくる。酷い場合は、いままでの売り上げ管理のやり方では駄目だったから、これからはこういう方法でお前の担当は売り上げ管理するってことで、いきなりその現場の評価が切り下げられたりしてしまう。悪いことばかりではなく、効率に繋がるのだからより仕事が楽になる部分もあるのでしょうが、その楽になった分は労働の冗費になるということで別の仕事がさらに押し込まれて、新たな業務を抱え込むようになってしまうのです。

 どうも、この辺の試行錯誤のコストというものを考えない人々というのはとても経営陣に多いようです。真面目なんでしょうか。やればやっただけ、売り上げに還ってくるという不思議な精神論を唱える「賢い経営幹部」が増える。そりゃあもちろん取り扱い品目をコスト増なしに拡大できれば、見た目の売り上げは増えますよ。でもそれは、企業の足腰である現場の体力とトレードオフです。


おっさんは若者から搾取しないと人生が維持できない
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20130727-00026797/