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ことばのちから

世界は言葉でできている。

×ものづくり→○ものがたりづくり

どこでも何にでも、「横串を刺せ」と言って回っている。大型化した社会や組織に分業が必要なのは言うまでもないが、専門化して他の言うことを聞かなくなるようではいけない。まして今のようなグローバル化の時代に、目の前の小さなことばかり考えてどうするのだろう。横断的に皆が知恵と情報を出し合って共に考え、大きなソリューションを求めていくべきだ。

 私が「ものづくり」という言葉に余り良い印象を持たないのは、ものが「Mono」に聞こえるからかもしれない。「ことづくり」に不満があるのも、結局は「Single issue」を考えるにすぎない場合が多いからだ。たくさんのことを総合的に横につなぎ、クラスター化して行くなら、「ものがたりづくり」と言うべきだろう。

 海外でも「横串」と言うために、Connectivityという言葉と概念を使っている。更に、異質のものが見事に融合する様をChemistryと表現しながら、「横串」というものの重要性を再確認しているのである。

 ところが世の中はもっと進んでいるのだ。ヒトモノカネを超え劇的なグローバル化を遂げた「情報」の現在の状況をハイパー・コネクティビティ(Hyper―connectivity)と表現する者が出て来た。「横串」どころか、世界のありとあらゆるところで、私たちは勝手にどんどんつながって行っているのですよ、と言うのだ。

 圧倒的なMassが勝手にどんどんつながる、と聞くとまずはカオス的状態を思い浮かべてしまう。しかし、その先に必ず自己組織化が始まると言っても良いだろう。そこで新たに組織化されたものへ提供するサービスは、きっと大きな価値を生むはずだ。

横串 三菱ケミカルホールディングス社長 小林喜光