読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ことばのちから

世界は言葉でできている。

開成高校のセオリー

そもそも開成は他の部活との兼ね合いもあって、グラウンドでの練習は週に1回しかできない。そこで「守備は上手くなってもエラーは出るし、猛烈な守備の練習が生かせるような難しい打球が来るのは1試合に1球あるかないかくらい」なので、守備練習は捨て、打撃練習に集中する。限られた時間をすべて打撃に賭けるというこれまたギャンブル。バントやサインプレーの練習も一切せず、ひたすらバットを振り、打って打って打ちまくるのである。

青木監督によると、一般的な野球のセオリーは高いレベルで戦力が拮抗するチーム同士の戦いにおいて通用するものにすぎない。戦力が圧倒的に劣る開成がそれを真似ても勝ち目はなく、だから独自の「ギャンブル」を仕掛けるのだ。

思いもよらぬ展開に私は絶句した。内野を5人にして外野を2人にするというのだ。そもそも開成の守備の原則は「正面に来た球を確実に捕り、それ以外はなかったことにする」。つまり、内野に正面を増やして、外野を捨てるというギャンブルなのである。

「打球が外野に飛んだらあきらめる。そして外野を守る選手たちもあらかじめどこを捨てるか決めさせるんです。そうすれば彼らもどこに自分がいるべきか、どこならリスクが少ないか自分ではんだんできるでしょう」


開成高校「もうひとつの勝利至上主義」