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ことばのちから

世界は言葉でできている。

「ことに向かう力」

「男と女」以上に大きな違いは、「仕事ができるか、できないか」

ですからマネージメント層とか政治家とか、「女性と男性が50:50にならないといけない」という論にもあまり賛成はしていません。それぞれ選択肢が自由であれば選んだ結果かもしれない。それから誰も逆差別を提唱していないということは百も承知なんだけれども、数字が1人歩きするというのも大変に怖いことだと思っています。

やっぱり人事はベストな人材が実力と実績で曇りなく選ばえれるべきであり、そこに少しでも曇りがあると、その人事が歪んでしまう。その結果、得られた数字にはまったく意味がなくなってしまうんじゃないかと感じています。ひとことで言うと、古い人間ということなのかもしれないなと思っています。

「チームの底力は多様性があればあるほど強い」

ただ、「ダイバーシティ」ということを捉えるときには、男と女の枠組みではなく、男女も1つの多様性ですけど、国籍であるとか、文化的な背景であるとか、あるいは性格ですとか、特技ですとか、いろいろな違い。

とにかく経営者として言えるのは、「人は多様である方がいい。チームは多様なメンバーから組成されていた方がうんと強い」ということです。
それはどうしてもそうなんです。チームの底力は多様であればあるほど強い。これは私が長年、会社をやって感じたことですね。本当に単一のまったく似たようなメンバーの組織はまとめやすいんだけれども、変化に弱いし、改革に弱い。それから全体の能力も一人ひとりの力が最大化される。ですから経営者にとって、多様なチームをどうやってマネージしていくかは非常に大きなポイントになるということです。経営者というか、企業のトップとしては、異なる人材を集めれば集めるほどパワフルである。だけどそれは同時に、難易度を非常に上げてしまうということなんです。

一番大変なのは「モチベーションの源泉」が違うこと

ただ、確かに多様な人材をまとめていくのはものすごく大変で難しいことだなと思っていまして、特に国籍とか男女差とか、あるいはエスニック・グループよりも、うんとマネージメント層にとって大変なのはモチベーションの源泉の違いですね。

モチベーションを何から得ているのかがまったく異なっている人たちをまとめていくのはすごく難しい。難易度が高いことだなと感じました。
もちろんコンサルタントをずっとやっていますと、あとビジネススクールにも行きましたので、そういうことを教えてくれるわけなんですけども、そこでいろいろなティップス、Dos & Don'tsを習います。そのコンサルタントを14年もやっているわけですから、本当に何か聞いたら、立て板に水のように、「そういう場合はこうして、こうして、こうして」と言えるようになってるわけですよね。マネージメントの要諦みたいなものです。

ただ私はマッキンゼーで10年間、それからビジネススクールの2年間、あわせて12年間で学んだことよりも、本当に本件に関して、12年よりも多くのことを学んだ一瞬があったんです。その一瞬を今日みんなにお見せしたいと思いまして持ってきました。それがこの写真なんです。


この写真を撮ったのは私ではなくて、私の仲間の音部っていう女性なんですが、私自身も(カメラの)こっち側で同じような顔をしていたはずです。写真を撮っている音部も同じ顔をしていました。みんなとっても嬉しいときです。チームの目標が達成されたときの高揚感ですね。私はこれを見た瞬間に12年間、いろいろな座学とかコンサルタントとか、ビジネススクールで学んだDos & Don'tsを忘れよう、と。DeNAという会社を何かチームで共通の目的を達成したときの高揚感。この喜びで牽引していこうと決めた瞬間なんです。

これでまとめていくんだ、と。これがある限り、この会社はきっと大丈夫だと感じました。それから私はとにかく、ジェンダーだ、国籍だなんだと言わず、とにかくまったく違うメンバーでも人間である限り、自分がオーナーシップをもって取り組んだ仕事、そして掲げた目標。それを達成したときは、本当に純粋に高いレベルの喜びを感じ、純粋な高揚感を持つものだと。これでずっとやっていこう。これがたくさんある人生にしたいし、会社にしたいな。そんなふうに感じました。

それは簡単じゃないですよ、すごい単純なこと言ってるようですけど、実際、この喜びや高揚感で組織をまとめていくっていうのは、例えばチームの組成の仕方とか、役割分担の与え方。誰ひとり、自分が影に隠れていると感じてはダメなんですね。全員が球体の表面積であり、オーナーであると感じなければいけない。オーナーシップを持って、そして十分にエキサイトするに足る、十分に高い目標がなければいけなくて。チームの組成や目標設定の仕方、それから一人ひとりの責任の持ち方、オーナーシップの持ち方など工夫がいるんですが、これだけ腐心して、会社をマネージしていこうと、私にとってはカチッと入った瞬間でした。

「人や自分に向かわずに、コトに向かう」

これが企業のトップであるとか、リーダーから見た目線だと思います。ただ企業のトップとかリーダーではない人間から見ても、この瞬間が多い人生というのは、すごく、何て言うんでしょうか、輝いていて、彩り豊かでいいな、と感じます。どうやったらこうなるのか。やっぱり「人や自分に向かわずに、コトに向かう」。それが今日の1つのメッセージなんです。

そうですね、ちょっと抽象的な言い方だったかもしれないですが、誰についていくとか、誰に評価されるとか、あるいは自分ができる、できない、もう少し成長していかないといけないのではないか。そういうことに意識を向けるんではなくて、純粋はチームの目標や自分の目標に向かって、それに本当に集中してみると、すごく充実した人生が送れるんじゃないかと思います。

ここにいる人がどういう人なのか、まったくわからなくて、一人ひとりの顔もよく見えません。ただ、おそらく、何か仕事を一生懸命にやっていらっしゃる方々じゃないのかなと。そういう前提で話をしています。仕事で輝く人生、それはプライベートなワークライフバランスを捨てろと言っているのではなくて、そういったバランスを取りつつも充実したキャリアを歩むためには、私は「コトに向かう姿勢」が大事じゃないかなと。人とか自分じゃなくて。そんなふうに感じているし、コトに集中できるチームに呼ばれる人材であれたらいいなと思います。

DeNA南場さんの講演「ことに向かう力」がいい話だったので全文読め
http://matome.naver.jp/odai/2137283171836034701