ことばのちから

世界は言葉でできている。

誇りを持って建設業を語る

しかし土木そして建設業の本来的な魅力そのものが色あせてしまったのだろうか?石原裕次郎三船敏郎主演の「黒部の太陽」を見て多くの若者が土木をめざし、いまでも建設業界の幹部として活躍している。どんな製品でも物づくりの現場がある。しかし建設現場の持つ圧倒的なスケール感は若者のチャレンジ精神を強く刺激してきたし、自ら手がけた完成品が半永久的に国民生活そして国民の命を守っていくのだという誇りを覚えずにはいられない。そしてその誇りが自然と社会相手の幾多の困難を克服する大きな支えになってきたのではないか。科学技術の進歩は土木の世界にも大きな変化をもたらしている。例えば、機械化・自動化はもとより繊維強化プラスチック等の新素材の活用など、若い土木技術者のチャレンジを待っている新領域が着実に広がっている。このように土木の本来的な魅力は時代が変わっても不変である。であれば、土木をめざす若者にとって魅力ある建設業に再生することは、さほど難しいことではないであろう。

第3回論説(1) 誇りを持って建設業を語る | 土木学会 論説委員会