ことばのちから

世界は言葉でできている。

快適ゾーンを飛び出す

誰しも、既に自分に備わった力や経験で、ミスなく、うまくこなすことができることを好みがちです。しかし、そこにとどまっていては、それ以上の成長は期待できません。リーダーは、心地よい快適ゾーンを飛び出して、未知の分野に挑むことが奨励されます。そうすることで初めて、世にない新しいものを生み出すことができるからです。

ジョブズも語った失敗談 挑戦への勇気を引き出す

「つもり」では成長なし

糸井 社長のアイデアがなんで通るかっていうと、勝つまでやるからですよね。野球でいえば9回で負けてたときに、社長は「12回までやるぞ」って言える。そういうずるを生かしてない社長は、多分ダメなんです。

 ――MJの読者に一言、ビジネスがうまくいくアドバイスを下さい。

 糸井 死ぬほど考えないとダメなことがやっぱりある。で、大体「考えた」という人は死ぬほど考えちゃいないんです。「なんかコツがあるんですか」ってすぐ人は聞くんですが、聞かない方がいい。いま平気な顔して言ってますけど、死ぬほど考えたんですよ僕も。

 高田 陥りがちなのは「伝えたつもり」になること。僕も商品が売れないことがあった。なんでだろうって考えると、お客さんに伝わってないんですよ。それで何度も10回20回と伝え方を変えていったのが、30年の経験ですから。人としても「頑張ってるつもり」では、10年20年たっても成長しないですね。

お薦めの達人対談 高田氏「『つもり』では成長せず」

「やる」と「やりきる」は大きな違い

笠原は、病気の子どもが親からもらい受ける肝臓は、子どもを助けたいという親の強い思いのつまった「命のプレゼント」だと言う。その“家族の未来”を確実につなぐために、1,200件を超える手術を経験してもなお、手術の前には必ず時間を設けて手術記録を見返すなど万全の準備を施し、あらゆる限りの手を尽くす。信念は、「やるのではない、やりきる」こと。 番組では、昨日助けられなかった子どもを、明日はなんとか助けられるよう、毎日毎時、ほんの少しでも前進しようともがき続ける医師の生きざまに迫る。

プロフェッショナル仕事の流儀 移植外科医・笠原群生

信頼の貯金

――自分の生活より信頼を守るほうが大事だと?

【村西】そうです。借金を返済するってことは、信頼の貯金をするということでもあるのです。世界で初めて片面二層の4時間16分のDVD作品を5本作ったときは、さっきの20億円を借りた人から、さらに5億円の制作費を借りました。20億円は返し終えていたとはいえ、最初は私も、いくらなんでも彼らは貸してくれないだろうと思いましたよ。

でも、5割の「ひょっとして……」という気持ちでお願いしてみたら、なんと2秒で「貸してやる」と言われた。逃げずにコツコツ借金を返していたら、巡り巡って「村西は信用できるやつだ」という評価が生まれたからです。信頼の貯金とは、こういうことです。

借金50億円を返済した「全裸監督」の話術

CTOは根っからの楽天家がいい

――技術者としての能力は必要ですか。

久多良木 私はCTOに求められる基本的な資質として、何よりもエンジニアとしての卓越した技量と豊富な知識と経験に裏付けられた突破力、そして修羅場における揺るぎない戦闘力を挙げています。

 いざとなったら、自らプログラムコードや図面を書いたり、チームメンバーと一緒にプロトタイプを作ったり、手足を動かして全員を力強く牽引するくらいでないとCTOとは言えません。CTOのTはテクノロジーですから、技術のディスカッションに加われないようでは失格です。最近の大企業には、技術者としての能力が乏しい中で、研究管理ばかりしている技術トップが多いことを危惧しています。

 さらに画期的なアーキテクチャーを見いだす力がCTOには必要です。頭の中にある実現したいものを、どう創るか、どういう形にするかがアーキテクチャー設計です。これが作れないと、途中で土台から崩れ落ちる。土台となる基本的なアーキテクチャーは、きちんと技術を理解しているCTOの下で考えなければいけません。

(中略)

最後にもう一つ。CTOは根っからの楽天家がいいですね。まわりの人が、「この人について行ったら、何か楽しいこと、大きなことができるかもしれない」と思えるくらいのほうが、優秀な人が自然と集まり、本来の実力を発揮してくれます。

奇人変人の才能見抜け 「プレステ生みの親」のCTO論

アイデアはいきなり完成形でやってきたりしない

次は僕ら世代の番です。あなたは「ダムの作り方なんて知らないし、百万人を動員する方法なんてわかんないよ」って思ってるでしょう?


しかし、秘訣をお教えしましょう。誰もそれを始めたときは知らないんです。アイデアはいきなり完成形でやってきたりしない。それについて取り組んでいるうちにだんだんクリアになってくるんです。とにかくまずは始めなくては。人と人を繋ぐ方法を最初から全部わかってたら、僕はフェイスブックを始めなかったでしょう。

ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチが感動的だったので日本語訳した。

創造はねつ造の一歩手前

――イノベーションをマネージメントするうえで、数あるアイデアの中から、どれを推進し、どれを却下するのか、どのように判断すればいいのでしょうか。

小林 アイデアを出してきた若手に本質的な質問を投げかけることです。そうすることで、その若手がどれほど熟慮してきたか、どれだけ真剣に考えているかを見抜くことができます。繰り返しますが、まだ見ぬ価値を生み出そうというのですから、内容の良し悪しで判断しようとしてはいけません。

 私がエアバッグについて説明したとき、久米専務から「高信頼性確保のキー要素は何か」と聞かれました。予期せぬ質問でしたが、「故障の極小化、故障時に最低性能を保持、故障の予見性」となんとか3つ挙げました。すると専務は、すかさず「では、4つめと5つめは何か」と尋ねてきます。答えられずにいると、専務は「何も分かってないな」と言うと、「ほんとにこの人に開発を任せておいて大丈夫なのか?」とつぶやきながら部屋を出ていきました。打ちのめされた気持ちでした。でも、こうした質問をすることで、熟慮することが大切だと教えてくれたのだと思います。

 イノベーションにおける熟慮とは、要素を無数に挙げて、それらを整理しながら、最終的にいくつかの本質的な要素にまとめ上げることです。そうすることで、物事の本質を捉えることができるのです。



創造はねつ造の一歩手前です。「確かにそういうことあるよな」といった暗黙知を見つけること、それが新しい価値のヒントになります。既に存在しているものでは創造とは言えません。かといって、まったく無いことを言ったらウソになります。「無いに近いけれど、あってもおかしくない」というところがポイントです。

アイデアは若手に任せろ 日本車初エアバッグ開発者