ことばのちから

世界は言葉でできている。

標準化、単純化、専門化

 大倉は読書家だった。焼き鳥屋を始める前、ダイエー創業者の中内功流通革命に魅かれ、中内の著作をすべて読んだ。中内の著作を通し価格破壊、創造的破壊、そして標準化、単純化、専門化して直営・FC方式で店舗を増やしていくというチェーンストア理論を学んだ。

「鳥貴族をつくった男」の知られざる悪戦苦闘

『にもかかわらずやる』という意志

「君のリポートは正しいのだろう。良くできていると言ってもいい。ただし、私が欲しかったのは、データを並べて当然のように導き出されるリポートや結論ではない。『にもかかわらず、やる』『やらなければ、将来はない。そのために、なにをするのか』ということを、死ぬほど、考え抜いた報告が欲しかったのだ。その新規事業をやめるべきだという君のリポートは、一般論として正しいのだろうが、『にもかかわらずやる』という意志を経営者が持った時に、『どうするのか』といったところまで、考え抜かれていないのだよ」

「にもかかわらず、やるのだ」創業者の叱責

変革とは、既得権益を奪うこと

社員の生産性の高い仕事を阻んでいるのは「上司です」と一刀両断。
「特に、男性の中間管理職の人たち。必要もない定例会議を増やして、誰もいらない膨大な資料を部下に作らせます。くだらないことのために、部下がクリエーティブな仕事をする時間を奪っていくのです」

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作業の先を読み次の仕事の準備をするのが『できる社員』

ある日、社員に22時以降の残業を頼んだが、拒否された。「初めは憤ったが、経営者が社員の残業を当てにしていた」と吉原会長は反省した。その頃、近所にラーメン店がオープンした。19時頃に訪れたが「スープがなくなったから終わりです」と言われた。翌日から早く店に行き、3日目にしてようやく食べられた。この経験から吉原会長は「良い商品を提供すればお客さんが合わせてくれる」と気づき、労働時間の削減に挑戦した。


取り組んだのは、就業時間内でできる仕事を時間内で終わらせる教育だ。「残業を前提にすると仕事が遅くなる」と考え、従来の残業代分の賃金を基本給に上乗せし、代わりに残業をゼロにするよう指示した。「経営者側もリスクを負うことで、従業員も熱心に取り組めた」と話す。


生産能力の高い社員と低い社員の違いを研究し、分析した。この結果、「できる社員は作業の先を読み、次の仕事の準備をする」と結論づけた。できる社員のノウハウを全社員で共有し、全員で作業の無駄を排除していった。

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